90年代アンビエント・テクノ界の狂人(言い過ぎです)Alex Paterson と確信犯 Thomas Fehlmann によるユニット The Orb の95年作2枚組。この時代はまだ Kris Weston も参加していた頃でしょうか。Andy Hughes もエンジニアとして参加。
コラージュ入り乱れつつ、Alex Paterson の閃きによる狂気と Thomas Fehlmann の大胆緻密なサウンドメイク光る楽曲群。Orb の良いところは、一見無秩序で混沌とした音楽のフリをしつつ、「リズム/メロディ/ハーモニー」のような確信犯的音楽要素が楽曲の屋台骨を支えている、というのが肝なのではないかと思います。各マテリアルに含まれる無意識の音階が、各曲メインテーマ部分の音階と合致しているというか。だからこそザワザワとした違和感を感じずに楽曲に没入できるのではないでしょうか。
このアルバムは後に Alex Paterson がインタビューで「自身最高の作品」と言っていましたが、当時の音楽メディアにはイマイチ不評だったのを覚えています。いま現在の耳で聴くと、確かに前作とのアプローチの違いはあれど、どこを切っても「Orb節」であることはやはり素晴らしく、音楽体験として胸を張ってオススメ出来る作品です。UKオリジナル、限定透明プラスティックスリーヴ2枚組。 (シレンシアミュージックストア様の商品解説より)
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Valley 7:36 Plateau 12:49 Oxbow Lakes 7:28 Montagne DOr (Der Gute Berg) 10:41 White River Junction 9:36 Occidental 13:54 Slug Dub 15:49